【東京都】躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 第14回公募が開始
東京都と東京都中小企業振興公社による「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」の第14回(令和8年度第3回)の募集が開始されました。まず、申請書類の提出期間は令和8年11月24日(火)13時です。
また、最大2億円、助成率最大4/5という非常に手厚いこの助成金は、生産性向上や新事業展開を目指す都内中小企業にとって見逃せない制度です。本記事では、第14回の公募要領をもとに、対象要件やスケジュール、助成率・助成限度額、申請方法などを専門コンサルタントの視点で分かりやすく解説します。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは?
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、都内中小企業者が「製品・サービスの質的向上」による競争力強化や「生産能力の拡大」のための生産性向上を進める際に必要となる機械設備等の導入経費の一部を助成する制度です。なお、実施主体は公益財団法人東京都中小企業振興公社です。
まず押さえておきたいのは対象者と設備の設置場所です。対象となるのは、基準日(令和8年10月1日)現在で東京都内に登記簿上の本店又は支店があり、都内で継続的に2年以上事業を行っている中小企業者等です。また、機械設備の設置場所は東京都内に限られません。神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県という隣接1都7県も認められています。ただし、都外に設置する場合は、都内に本店があることが条件です。つまり、首都圏に拠点を展開する企業にとって使い勝手の良い制度といえます。
とくに本事業の特徴は、業種を限定していない点にあります。したがって、製造業の生産設備導入はもちろん、サービス業におけるソフトウェア導入まで、幅広いビジネスシーンで活用できます。なお、助成対象となる機械設備とは、税法上の固定資産のうち「機械装置」「器具備品」「ソフトウェア」に該当するものを指します。
なお、詳細は躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 公社ページ 参照
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 第14回公募のスケジュール
では、第14回公募のスケジュールを確認しましょう。申請状況等により日程が変更される場合があるため、最新の情報は公社ホームページでご確認ください。
| 項目 | 時期 | 備考 |
| 申請書類提出 | 10月23日9時~11月24日13時まで | 電子システム「Jグランツ」にて受付 |
| 一次審査 | 12月中旬~1月中旬 | 資格審査、経理審査、事業計画審査 |
| 一次審査結果通知 | 1月下旬 | 「Jグランツ」にて通知 |
| 二次審査(一次通過者のみ) | 2月中旬~2月下旬 | 面接審査、価格審査、総合審査 |
| 助成対象事業者決定 | 3月中旬 | 「Jグランツ」にて通知 |
| 事務手続き説明会 | 3月下旬 | ― |
| 助成対象期間 | 令和9年4月1日~最長令和10年9月30日 | この期間内に契約・納品・支払いまで完了 |
| 完了報告 | 助成事業完了後 | 完了報告書を提出 |
| 助成金交付 | 完了検査・確定後、約1か月ずつ | 設備導入代金の支払い後に交付(後払い) |
加えて、基準日(令和8年10月1日)現在の要件充足が申請の前提となります。そのため、本店・支店の登記や納税状況などは、基準日時点であらためて確認しておくことをお勧めします。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の対象事業者・申請要件
対象となるのは、中小企業基本法等に定める中小企業者(会社及び個人事業者)、または中小企業団体等です。前述の本店所在地・設置場所の要件に加えて、一企業一申請であることや、同一機械設備で他の助成を重複して受けていないことなど、申請にあたって満たすべき要件が定められています。
なお、補足的な要件として、東京都への納税に滞納がないことや、過去に本助成事業等の採択を受けた場合は助成金額が確定していることなども求められます。要件の全文は募集要項に記載されていますので、あわせてご確認ください。
したがって、要件の全文は躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 第14回募集要項(PDF) 参照
助成対象事業:3つの事業区分
助成対象事業は、以下のⅠ~Ⅲのいずれかに合致する必要があります。なお、いずれの区分も、設備投資後に従業員一人当たりの付加価値額(=労働生産性)を年率3%以上向上させる計画であることが求められます。
Ⅰ 競争力強化
競争力強化及び生産性向上のために必要となる機械設備等を新たに導入する事業です。たとえば、量産体制の構築や多品種少量生産への対応、生産工程の改善など、幅広い取り組みが対象になります。
Ⅱ 後継者チャレンジ
事業承継(M&Aを含む)を契機として、後継者による事業多角化や新たな経営課題への取り組みに必要となる機械設備を新たに導入する事業です。なお、対象となるのは、基準日の3年前から助成対象期間の起点の前日まで(令和5年10月1日~令和9年3月31日)に事業承継を行った、または行う予定の事業者です。
Ⅲ アップグレード促進
競争力強化及び生産性向上を実現し、地域経済の中心となるべく成長するために必要となる機械設備を新たに導入する事業です。ただし、本区分の申請にあたっては、後述するゼロエミコース及び賃上げコースの両方の要件を満たすことが必須となります。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の助成率・助成限度額【最大2億円】
続いて、事業区分ごとの助成率・助成額を確認しましょう。特定の要件を満たすことで、助成率が「ゼロエミコース」または「賃上げコース」の適用によって大幅に優遇されます。なお、この2つのコースは併用できません。
| 事業区分 | 申請者区分 | 通常コース | ゼロエミ/賃上げコース | 助成額 |
| Ⅰ 競争力強化 | 中小企業者 | 1/2以内 | 3/4以内 | 100万~1億円 |
| Ⅰ 競争力強化 | 小規模企業者 | 2/3以内 | 3/4~4/5以内 | 100万~1億円 |
| Ⅱ 後継者チャレンジ | ― | 2/3以内 | 3/4以内 | 100万~1億円 |
| Ⅲ アップグレード促進 | ― | ― | 3/4以内 | 1億~2億円 |
なお、賃上げコースを選択した場合、助成金の交付は2回に分割して実施されます。1回目は優遇前の助成率(1/2~2/3以内)で交付され、2回目は賃金引上げ計画の達成確認後に、優遇後の助成率との差額が交付される仕組みです。したがって、助成金を受け取り終えるまでの期間が長くなる点にご注意ください。
ゼロエミコース・賃上げコースの主な要件
- まず、ゼロエミコース:会社全体としてエネルギー消費量を5%以上削減する目標を立て、設備の性能や専門家の診断により証明すること
- また、賃上げコース:給与支給総額を基準給与支給総額の1.02倍以上に増加させ、かつ事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
このように、コースの詳細は躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 第14回チラシ(PDF) 参照
助成対象経費と対象外となる経費
機械装置・器具備品・ソフトウェアの導入経費が対象
助成の対象は、生産や役務の提供のために直接使用する「機械装置」「器具備品」「ソフトウェア」の新たな導入、搬入・据付等に要する経費です。なお、1基あたりの下限額は、機械装置・器具備品が50万円(税抜)以上、ソフトウェアは300万円(税抜)以上2,000万円以下(複数基でも合計2,000万円以下)となっています。
リース・中古品・既存設備の改良は対象外
一方、以下のような経費は助成対象になりません。事前に投資計画から除外して予算を組む必要があります。
- 不動産・構築物、車両及び運搬具、船舶、航空機等の導入経費
- 既存機械設備の改良・修繕及び撤去・移設・処分に係る経費
- 中古品の導入経費
- 割賦、リース、レンタルに係る経費(所有権留保のないものは除く)
- 汎用性のあるパソコン、サーバー、ソフトウェア等、目的外使用が可能なもの
- 年間保守費用、バージョンアップ費用、サブスクリプション等の継続費用
また、所有権が助成事業者に帰属することも要件のひとつです。したがって、助成対象設備を担保に供することはできません。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請手続き
申請は、国(デジタル庁)が提供する電子申請システム「Jグランツ」を通じて受け付けます。したがって、Jグランツを利用するには、事前に「GビズIDプライム」のアカウント発行が必要です。
なお、GビズIDプライムのアカウント発行には、審査で原則2週間程度かかるとされています。そのため、申請を検討されている方は、早めにアカウントを取得しておくことをお勧めします。
また、申請書は公社ホームページより第14回募集の指定書式をダウンロードして作成する必要があります。原則として、申請書類提出後の加筆・修正はできません。したがって、事業計画の策定は慎重に進めましょう。
なお、代理申請機能を利用すれば、Jグランツ上で行政書士等の第三者に申請手続きを委任することも可能です。ただし、申請の確認及び提出は、申請者自身が行う必要があります。
申請にあたっての注意事項
審査は、まず提出書類に基づく一次審査(資格審査、経理審査、事業計画審査)が行われます。次に、一次審査を通過した申請者に対して、面接審査及び価格審査を含む二次審査が実施され、総合審査会にて助成対象事業者が決定される流れです。
特に、二次審査(面接)等では、会社概要及び申請内容を説明できる申請企業自身の方が対応する必要があります。経営コンサルタント等、自社以外の方の同席や代行は認められませんので、あらかじめご留意ください。
加えて、加点措置の対象となる申請者も定められています。たとえば、公社が実施する「DX推進支援事業」等の支援を受け、その支援内容に基づいて申請する場合や、東京都環境局に「地球温暖化対策報告書」等を提出している場合には、審査で加点されます。
助成事業個別相談会の開催
第14回募集にあわせて、提出書類の不明点や不備の有無を事前に相談できる「助成事業個別相談会」が予約制で開催されます。なお、相談会では助成金事務局の職員が対応しますが、申請書の事業計画の内容についてはお答えできない点にご注意ください。
| 会場 | 開催日 | 備考 |
| 国分寺会場 | 令和8年10月9日(金) | 予約制 |
| 秋葉原会場 | 令和8年10月26日(月) | 予約制 |
なお、事業説明動画や相談会の参加方法・予約状況等は、公社ホームページで案内されています。そのため、申請を検討されている方は、事前に確認しておくとスムーズです。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の事前相談を受け付け中
当社では、代表がZoomによるWeb無料相談を実施しています。なお、準備期間が長いほど、より充実した事業計画につながります。
実際に、当社はすでに多くの事業者様より、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の活用に向けたご相談をいただいています。ぜひお気軽にご連絡ください。
補助金・助成金採択支援どっとコムが選ばれる理由
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、事業区分や助成率、審査基準が複雑です。そのため、専門家への相談が有効であり、実際に当社は多くの事業者様から選ばれています。
経済産業省系補助金の圧倒的な支援実績:まず、経済産業省系補助金の支援実績は1,600社以上、支援総額は270億円以上にのぼります。
圧倒的な採択率:次に、ものづくり補助金の資金調達支援では36件中36件連続採択、採択率100%を達成しています。また、ものづくり補助金・事業再構築補助金のプロジェクトリーダーとしても、いずれも採択率90%以上の実績があります。
設備投資系補助金での支援実績:さらに、省力化投資補助金(30件以上、採択率90%以上)や大規模成長投資補助金(20件以上、採択率60%以上)など、設備投資を伴う補助金の支援実績が豊富です。
国家資格ホルダーによる充実した支援:加えて、経産省系補助金に強い中小企業診断士・行政書士が対応します。
また、コンサルタント選びのポイントについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
なお、新事業進出・ものづくり補助金コンサルタント、申請代行の選び方 参照
執筆者のご紹介
中小企業診断士・行政書士 姫田 光太
–HTMコンサルティンググループ株式会社 代表取締役
-姫田経営行政書士事務所 代表
-「補助金・助成金採択支援どっとコム®」プロジェクト・マネジャー
-中小企業診断士(経済産業大臣登録414835)
-行政書士(登録番号26101760)
【プロフィール】
経済産業省系補助金を活用した設備投資支援に強み。また新商品開発、販路開拓支援、事業計画策定、顧問先の経営改善、補助金支援。さらには補助金活用セミナーの講師まで幅広く活動している。
【サポート実績】
2018年、2019年のものづくり補助金の採択率は100%。また1600社以上の補助金申請プロジェクトのリーダーとして活躍し、その支援の総額は270億円以上に。とくにヒアリングによるコミュニケーションを大切にし、経営者の想いを伝えるストーリー性を重視、徹底的に採択にこだわる事業計画づくりに定評がある。
補助金による資金調達支援や経済産業省支援策の認定実績
- ものづくり補助金による資金調達支援(36件中36件連続採択、採択率100%)
- ものづくり補助金申請、プロジェクトリーダー(500件以上、採択率90%以上)
- 事業再構築補助金申請、プロジェクトリーダー(300件以上、採択率90%以上)
- 省力化投資補助金申請、プロジェクトリーダー(30件以上、採択率90%以上)
- 大規模成長投資補助金申請、プロジェクトリーダー(20件以上、採択率60%以上)…など実績多数
参考
なお、本記事は以下の公式資料を確認して作成しています。