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平成30年度補正予算ものづくり補助金の公募期間はいつごろになるのか?

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平成30年度ものづくり補助金の募集開始は?

今回は、平成30年度補正予算のものづくり補助金の開始時期について、3人の中小企業診断士に予想していただきました。

植田:僕は、補正予算の成立時期からみて、今回のものづくり補助金も、昨年同様、第1次公募期間が2月下旬から4月下旬、第2次公募が夏ころになると予想しています。

石村:私は、今年のものづくり補助金の第1次公募期間は、昨年とは全く異なると予想します。昨年末の平成30年12月28日に、中小企業庁が、平成30年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」にかかる事務局の募集及び同補助金の事前予告をサイトに更新しました。この事務局募集や事前予告は昨年も行われており、例年通りなのですが、今年にかぎっては、末尾に以下の記載がされています。これは例年にはない記載です。

「上記事務局が決定後、実施事務局が、中小企業・小規模事業者が行う革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善のための設備投資等の一部を補助する事業の、事業者向け公募を行います。これは、平成30年度補正予算の成立後、速やかに実施する予定です。

なお、事業者の事業実施期間を可能な限り長く確保する観点から、上記公募の際には、約2か月の公募期間を設けるほか、早期に公募を締め切って審査し、採択発表を速やかに(可能ならば年度内に)行うことを検討中です。また、夏以降に2次公募を行うことも予定しています。」

すなわち、1月23日に事務局の募集を終え、即座に事務局を決定、早期に第一次公募を締め切り、可能ならば年度内つまり3月中に採択結果を発表するとあります。もし、年度内に採択を発表するということであれば、2月末には、公募期間の締め切りがされる可能性もあります。そうすると、第1次公募の公募期間は1月末~2月末になるかもしれません。

姫田:しかし、上記の事前予告には、公募期間を2ヶ月間設けるとも記載されています。事務局募集の締切りが1月23日ですよね。その後すぐに1月末から第1次公募を開始したとしても2カ月間の公募期間を設けるなら第1次公募の締切は3月末になります。公募締切後には、審査を経て、採択決定をするのですから、年度内(3月中)の採択結果発表は無理ですね。ただ、もしかしたら、昨年のIT補助金のように数回に分けて採択を出す可能性があるかもしれません。一次公募の第1締切り、第2締切りみたいな感じですね。

石村:仮に、事務局募集締切りの翌日である1月24日から公募開始し、そこから2カ月間の公募期間を設け3月23日で公募締切だとすると、3月31日までの8日間で審査しなければならないわけか。確かに、現実的ではないスケジュールかもしれません。ただ、「採択発表を速やかに(可能ならば年度内に)行うことを検討中」との記載は気になります。事務局募集要項には誤字もみられ、中小企業庁も冷静になれていないのかもしれません(笑)。消費増税による景気低迷を少しでも設備投資でカバーすべく焦っているのでしょうか。

ものづくり補助金の公募スケジュール変更の可能性について

植田:1次公募については、補正予算成立が前提となるところ、次回国会の召集が1月下旬(1月28日が濃厚)であるため、今回の補正予算の成立はどんなに早くても2月上旬になるかと思います(2018年は、1月22日に国会召集、その10日後である2月1日に補正予算成立、さらに27日後の2月28日に公募開始でした)。そうすると、今年の1次の公募開始時期は、早くても2月中旬になってしまうのではないでしょうか。大幅なスケジュール変更はない気がします。あるとしたら次年度以降ですよね。来年度から本予算に計上されることから、従来の公募スケジュールと大きく変わる可能性があります。ただ、それも、夏以降に2次公募を行うことも予定していますとあることから、少なくとも今年いっぱいは、去年と同様のスケジュール感になる感じですかね。

石村:私はやはり大幅な変更があると考えています。2月中下旬に公募開始して、姫田さんのおっしゃるとおり、1次公募の第1次締切と第2次締切に分け、仮に2月末くらいまでの申請を第1締切とすれば、3月中に採択発表が可能ともいえます。そして、第1次公募第2締切は、4月中旬までとなり、採択発表は5月中旬になると予想します。

植田:そんなことありますかね。あれ?でも、そういえば、過去のものづくり補助金では、第1次公募を第1次締切と第二次締切に分けていた時もありましたね。

以下に、過去6年分のものづくり補助金の概要を整理してみました。

年度予算募集区分公募期間採択決定
平成24年度1000億円第1次公募第1締切3.15~3.254.30
第2締切3.26~4.155.31
第2次公募6.10~7.108.30
平成25年度1400億円第1次公募第1締切2.17~3.144.28
第2締切3.15~5.146.27
第2次公募7.1~8.119.29
平成26年度1020億円第1次公募2.13~5.86.19
第2次公募6.25~8.59.30
平成27年度1000億円第1次公募2.5~4.136.6
第2次公募7.8~8.2410.20
平成28年度763億円第1次公募のみ11.14~1.173.17
平成29年度1020億円第1次公募2.28~4.276.29
第2次公募8.3~9.1810.29

確かに。前例がないわけではないのですね。そうすると今回も、平成24年度と平成25年度のように、今回も第1次公募を第1回締切と第2回締切と分ける可能性は十分にありますね。ただ、それでも今年度内(3月中)の採択決定は、やはり難しいのではないでしょうか。上記の表を見ると、例年、公募締切から採択決定まで1ヵ月半ほどかかっていますので、今年度内での採択決定をするには、第1次公募の締め切りを2回に分けるとしても、第1公募第1締切を2月中旬にしなければなりません。今年の国会の召集予測日を見る限り、第1次公募第1締切を2月中旬に設定するのは厳しい気がします。

姫田:判断が難しいところですね。ただ、中小企業庁が、異例のアナウンスを発表している以上、今回のものづくり補助金の第1次公募は第1締切と第2締切に分けられる可能性は十分にありそうです。いずれにせよ、その可能性に備えて、経営者・事業者の皆様はもちろん、我々専門家も、早めに準備をしておくことが肝要ですね。

石村:そうですね。特に第1次公募第1締切りが設定されたならば、ここが最も採択率が高くなると思われます。これをチャンスととらえて、早めの準備をしておくべきです。

ものづくり補助金の募集要項発表はいつになるのか?

3人の中小企業診断士の予想では、第1次公募は例年と同じように2月中下旬~4月下旬がその公募期間となるが、このうち締切りを第1次締切と第2次締切と2回に分ける可能性もあるとの予想でした。今の補助金バブルはいつまでも続きません!今のうちです。専門家の活用も視野に、是非とも早めの準備をしてください!

専門家紹介

【姫田光太】

姫田トラストマネジメント株式会社代表取締役。中小企業診断士。経済産業省系や東京都の補助金(ものづくり補助金、革新的事業展開設備投資支援事業、IT導入支援事業、小規模事業者持続化補助金など)を活用した設備投資、新商品開発、販路開拓支援に多数実績。事業計画策定、顧問先の経営改善、補助金支援から、補助金活用セミナーの講師まで幅広く活動している。

【植田恭介】

弁護士。中小企業診断士。弁護士として法人設立、債権回収、事業承継及びM&Aなどの企業法務に携わる傍ら、中小企業診断士として経営分析や補助金申請などの経営支援を行っている。経営者の想いの実現こそ最優先にすべきであり、その為に法律や経営理論を用いるべきであるとのかんがえのもと、各クライアントとの関係を構築している。

【石村飛鷹(イシムラ ヒヨウ)】

中小企業診断士。商工会議所の経営指導員としての経験を活かし、補助金申請、産学連携、事業承継、製造業のIoT導入などを得意とする。補助金申請においては単なる申請ではなく、その会社の真の成長を後押しする。