事業再構築補助金 令和4年度第2次補正予算の概要
事業再構築補助金の継続実施が発表されました
先日、経済産業省より「経済産業省 令和4年度第2次補正予算案の事業概要(PR資料)」が公開されました。
2023年も事業再構築補助金が継続して実施されることが発表され、令和4年度補正予算額は5,800億円計上されています。
今回は、来年以降の事業再構築補助金について、経産省のPR資料を元に概要を紹介します。
事業目的への「物価高騰等」追記
今回、中小企業等事業再構築促進事業の事業目的は、下記とされています。
長引く新型コロナウイルス感染症の影響に加え、物価高騰等により、事業環境が厳しさを増す中、中小企業等が行う、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業への大胆な事業再構築の取組を支援することで、中小企業等の付加価値額向上や賃上げにつなげるとともに、日本経済の構造転換を促すことを目的とします。
現行の事業再構築補助金でも、第7回公募から物価高騰の影響を受けた事業者向けの特別枠が設置されていましたが、事業目的として明示的に「物価高騰」が用いられるようになりました。
とはいえ、「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業」という文面通り、コロナウイルスの影響を受けた事業者向けの補助金であることに変わりはありません。
コロナと物価高騰、両方の影響を受けた事業者向けの補助金であること、それらの危機をいずれも乗り越えられる事業再構築に取り組むこと、という認識が改めて必要になると言えます。
新たな申請枠について
新たな申請枠は下記のように案内されています。
中小企業庁 中小企業・小規模事業者等関連 令和4年度補正予算のポイントより引用
※補助上限額は従業員規模によって異なる、補助率は中小企業の場合
詳細が発表されていない部分も多いですが、現状でポイントとなる点を3点紹介します。
参考:事業の再構築に 取り組む皆様へ(リーフレット)
1、「成長枠」の新設
まず、現行の事業再構築補助金の「通常枠」がなくなり、新たに「成長枠」が設けられました。
大きな変更点として、まず、グリーン成長枠と同様に、売上減少要件が撤廃されることが挙げられます。
一方、補助率は今までの通常枠の2/3から1/2になりました。
ただし、「成長枠」で申請する事業者の中で、継続的な賃金の引き上げや中堅企業へ成長する事業者には、補助率の引き上げや補助金額の上乗せ等、インセンティブがあります。
売上減少要件がなくなったことで、申請対象事業者が増えると思われますが、PR資料には「成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者に向け」と記載があり、「成長分野」が具体的にどんな分野を指しているのか注視が必要です。
2、賃上げへの支援強化
政府は、「総合経済対策」の重点分野の一つとして、構造的な賃上げを掲げており、先日、令和4年度2次補正予算に中小企業賃上げ支援が1.1兆円計上されることが発表されました。
その一環として、事業再構築補助金にも、上記、1、「成長枠」でも記載した通り、新たな事業再構築補助金では賃上げへの支援強化が伺えます。
具体的には、「成長枠」と「グリーン成長枠」のみが対象となりますが、
1 継続的な賃金引上げ及び従業員の増加に取り組む事業者の上限3,000万円上乗せ
2 補助事業期間内に賃上げ要件を達成した場合、補助率を中小企業2/3、中堅1/2企業に引上げ
とされています。
現行の「通常枠」の中小企業の補助率が2/3であることを考慮すると、②は実質、補助率2/3にするための必須要件とも捉えられます。
また、「最低賃金枠」は、現行の事業再構築補助金から唯一継続される枠になります。
申請額が最大1,500万円と規模は小さめですが、補助率が3/4と高く、第6回の採択率は252件中212件と、85%以上と高い採択率を誇る枠になります。
現行では、最低賃金+30円以内で雇用する従業員が10%以上いること等の要件がありますが、新たな申請要件が発表されたらぜひ確認してみてください。
参考:大幅な賃上げに取り組む皆様(リーフレット)
3、その他の新設枠や拡充枠
その他の申請枠について簡単にご案内します。
「物価高騰対策・回復再生応援枠」は、補助率の高さから、緊急対策枠のような特別枠的な位置付けになると考えられます。
「グリーン成長枠」は、申請ハードルが低いエントリー枠が追加される等、申請しやすく拡充されました。
その他、「産業構造転換枠」や「サプライチェーン強靭化枠」など、大規模事業向けの枠も新設されました。
詳細は補正予算成立後&Web無料相談受付中
詳細は、補正予算成立後に、準備が整い次第随時発表されるとのことです。
現行の第8回公募の採択発表後に公募開始になると思われますが、第8回公募の締切が2023年1月13日(木)となっており、採択発表は3月以降になると予測されます。
令和4年度第2次補正予算案の事業再構築補助金は、春先の公募になる可能性が高いですが、もし申請をお考えでしたら、お早めにご相談いただけますと幸いです。
当社ではZoomによるWeb無料相談を実施しています。
参考:
中小企業庁 中小企業・小規模事業者等関連 令和4年度補正予算のポイント