ものづくり補助金・事業再構築補助金・IT導入補助金の補助金コンサルタント(申請支援・申請コンサルティング)

ものづくり補助金は来年どうなる?【2024年も継続】

ものづくり補助金2024年に関して

先日、令和5年度補正予算が閣議決定され、経済産業省による事業概要資料(PR資料)が公開されました。ものづくり補助金2024年の最新情報について、現在わかっている情報をお伝えします。

当社でも多くの事業者様をサポートさせていただいている、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)」は来年以降も継続され、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資等を引き続き支援することが明らかにされています。

また、中小企業庁「ものづくり・商業・サービス補助金」パンフレットより、令和5年度補正予算においては、公募は2回程度実施予定とされています。

今回は、これらの資料に基づき、ものづくり補助金を中心に今後行われる中小企業施策についてご紹介します。

 

2024年ものづくり補助金の新たな申請枠

ものづくり補助金は、主に設備やシステム投資に関して実施されている大型補助金の1つで、特に概要や目的など大枠の変更は案内されていませんが、申請枠が新しくなり、下記の3類型とされています。

ものづくり補助金 支援枠・類型の概要

中小企業庁「ものづくり・商業・サービス補助金」パンフレットより

①省力化(オーダーメイド)枠 

補助上限額が750万円〜8,000万円(1,000万円〜1億円)と1番金額規模が大きい枠になります。大型投資を検討されている事業者様はぜひ検討したいところだと思いますが、補助金額が高い分、申請要件も当然厳しくなることが予想されます。

*( )は特例適用時の上限額

省電力につながる設備投資、脱炭素につながる設備投資など、大型の機械、設備導入、または複数の機械設備を複合的に導入して、工場の脱炭素化を目指す取り組みなどが該当すると予想されます。

②サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型(DX・GX))

「通常類型」が現状の通常枠、「成長分野進出類型」が現状のデジタル枠の代替になる印象を受けます。通常類型はいわゆる普通枠的な存在になると思いますが、新型コロナ回復加速化特例で補助率2/3になる点は、要件を確認したいです。2023年のものづくり補助金ではデジタル枠の採択率が非常に高かったことを踏まえると、このサービス高付加価値化枠がもっとも狙い目の申請枠であると予想されます。

デジタル枠と同様の要件であった場合、事前にホームページにデジタル責任者等を記載しておくなどの取り組みが必要になるかと思いますので、早めに準備しておきましょう。

③グローバル枠

こちらも3,000万円(4,000万円)と比較的大型の申請枠となり、現状のグローバル市場開拓枠のように海外事業の拡大、強化を視野に入れ、大型投資を検討している事業者にとっては狙い目となるでしょう。ただ、①省力化(オーダーメイド)枠同様、申請要件にはある程度のハードルが課されることが想定されます。

 

①〜③の申請類型のうち、比較的申請しやすいのは②のサービス高付加価値化枠になると思います。その中でも、金額が若干高く、補助率が2/3になる成長分野進出類型(DX・GX)は、ぜひ申請を検討したい枠です。どうしてもデジタル関連の要素がない場合、通常類型の新型コロナ回復加速化特例を活用できると望ましいです。

 

また、大幅賃上げ特例として、補助事業終了後、3〜5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、申請類型の補助上限額を100万~2,000万円上乗せするとされています。賃上げに関しては、政府が基本方針に掲げている背景もあり、今後も補助金の申請要件、加点要件等で増える可能性が高くなると考えられます。

2024年ものづくり補助金の活用イメージは?

それぞれの申請枠ごとの活用イメージは下記とされています。

①省力化(オーダーメイド)枠

熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(Sier)と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。 

②サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型(DX・GX))

<通常類型>最新複合加工機を導入し、精密加工が可能となり国際基準に準拠した部品を開発
<成長分野進出類型>AIやセンサー等を活用した高精度な自律走行搬送ロボットの試作機を開発

③グローバル枠

海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展

中小企業庁「ものづくり・商業・サービス補助金」パンフレットより引用

それぞれの活用イメージに100%合わせる必要はありません。

これらをヒントに、自社だったらどんな設備投資をするか?どんな機械を購入するか?そして、それを使ってどんな事業を展開できそうか、ぜひ検討してみてください。

2024年ものづくり補助金の対象要件は?

対象要件に関しては、下記とされています。現状のものづくり補助金と大きな違いはありません。

中小企業・小規模事業者等が、革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス等の省力化のための設備投資・システム構築を行い、

・付加価値額 年平均成長率3%増加

・給与支給総額 年平均成長率1.5%増加

・事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上

の基本要件等を目指す3~5年の事業計画に取り組むこと。

 

2024年のその他中小企業向け補助金に関して

ものづくり補助金以外にも「小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)」、「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)」、「事業承継・引継ぎ支援事業(事業承継・引継ぎ補助金)」、さらには事業再構築補助金の再編である「中小企業省力化投資補助事業」など中小企業向けの施策が行われることが発表されています。有効活用に向けて必要な情報等あれば、随時ご案内させていただきます。

 

ものづくり補助金2024年、事前相談を受け付け中

当社ではZoomによるWeb無料相談を実施しており、すでに多くの事業者様より来年の補助金活用に向けたご相談をいただいています。お忙しい時期とは思いますが、来年のスタートダッシュを図るためにも、お早めにご相談いただけますと幸いです。

参考:
中小企業庁「ものづくり・商業・サービス補助金」パンフレット

令和5年度補正予算案の事業概要 (PR資料)

経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要

ものづくり補助金ポータルサイト

ものづくり補助金・事業再構築補助金申請サポートコンサルタントの選び方

 

【執筆者のご紹介】

補助金支援コンサルタント・事業計画策定エキスパート・中小企業診断士 姫田 光太

ものづくり補助金申請支援では通算50件以上連続採択、連続採択継続中。小規模事業者持続化補助金12連勝、IT補助金では32件中30件採択。ものづくり製造業の採択率100%。平成29年度補正予算(平成30年実施)、平成30年度補正予算(平成31年実施)経済産業省系の補助金支援の採択率は100%。事業再構築補助金のアドバイス支援では採択率90%以上継続中!現在は採択率を高めるためのアドバイザーとして補助金・助成金採択支援どっとコムの代表コンサルタントとして、また補助金コンサルタントを養成する補助金・事業計画策定講座のメイン講師を務めるなど精力的に活動中。経営者の想いを伝える事業計画づくりがモットーの補助金申請支援コンサルタント。