落とし穴もある?平成30年度補正予算、ものづくり補助金申請書提出のポイント
平成30年度補正予算ものづくり補助金第一次公募は2月23日に(当日消印有効)で締め切られました。一方で公募開始は1月28日と過去に前例の無いほどの短期での申請書提出が求められる結果となりました。過去の公募開始日の多くが金曜日であったのに対して、今回は月曜の公募開始であった点に不意打ちを食らった方もおられるのではないでしょうか。加えて、1次審査から2次審査への進め方にも大きな変更が加わり、様式1、様式2、様式2別紙(提出の場合)も合計15ページ以内での作成が要求されるようになりました(詳しくは以下の記事を参照されてください)。
平成31年度(平成30年度補正予算)ものづくり補助金の公募開始!
今回、特にお伝えしたいポイントとして取り上げるのは申請書の提出方法についてです。色々と細かな変更が加えられており十分に注意が必要です。以下が主な変更点となります。
定款もしくは登記事項証明書の提出が不要に
これは事務処理を少しでも省略して、早めに採択を出したいという事務局の意向であると考えられます。申請者の負担は軽減されますが、もっと面倒な処理が必要です…。詳しくは以下の記事を参照してください。
様式1、様式2はword版に加えてpdf版もCD-Rへ格納が必要!
ここはよく見ないと落とし穴ですね。例年様式1、様式2と呼ばれる申請書はマイクロソフトのワード版のみCD-Rに焼いて提出していました。今年はフラットファイルに綴った全ての提出資料をpdf化してCD-Rへ格納が必要となっています。様式1、様式2、様式2別紙はword版、pdf版の両方が必要です。フラットファイルに資料を綴る際の順番指定もあるので注意してください。
ホームページがある場合は、提出書類の会社案内送付が不要に
ホームページがある場合は今まで提出が必ず必要だった会社案内の送付は不要となります。ただし、ホームページがない場合は添付することになっていますので注意が必要です。審査員が事前にホームページを確認してから審査に入ることも想定されるため、簡易で内容の薄いホームページであれば、次回の公募開始までに手を加えておくことをお勧めします。
上記からご覧いただけるように、本年度より登記簿謄本は不要になりましたが、総じてプロセスは複雑化しています。CD-Rに格納されたファイルの破損やデータ化けが無いか、ファイル名は正しいか、印刷物に白紙や重複が無いか、書類のファイリングの順番が正しいか、正本と副本が入れ替わってないかなど、印刷〜すべてを丁寧にチェックという手順を考慮すると余裕を持って丸一日は確保されることをお勧めします。これらは公募要領で読み飛ばし易い点なので、改めて公募要領の読み込みの大切さを訴えたいと思います。
最後にここだけのお得な情報をお伝えします。申請書の発送は郵便局からと思われている方が多いと思いますが、コンビニから宅配便も受け付けてもらえることが多いです(過去にこの方法で採択された実績もあります)。その場合は、コンビニ受領印が締切日23時59分までであれば期日内として取り扱われます。ただし、地域により対応が異なる場合もありますので必ず地域事務局へ問い合わせください。今回の申請書提出期限は、多くの郵便局が閉じている土曜日でしたので、このことを知っているだけで申請書作成に1日余分に時間を費やすことができました。今回の短期決戦においてこの点は非常に大きいですね。
5月8日には第二回公募が締め切りとなりますが、上記の注意点は基本的には変わりません。是非、ご参考にしていただきたいと同時に、読者の皆さまのご健闘を祈願します。
[執筆者のご紹介]
中小企業診断士・プロダクトプランナー
河村 裕司
某楽器メーカーにおいてグローバル市場向けに電子楽器のプロデュースを行う。これまでグローバル市場に向けて50製品以上のプロデュースに携わってきた。また、製造企業・団体向けのコンサルティング、補助金支援、デザイン思考およびプロダクトプランニングのセミナー・ワークショップ等も開催。お仕事のご依頼はホームページよりお願いします。
ホームページ:http://yujikawamura.main.jp
補助金支援コンサルタント・事業計画策定エキスパート・中小企業診断士
姫田 光太
平成29年補正予算ものづくり補助金では8連勝、小規模事業者持続化補助金9連勝、IT補助金では24連勝、合計連続31連勝中。平成29年度補正予算(平成30年実施)経済産業省系の補助金支援の採択率は100%。経営者の想いを伝える事業計画づくりがモットーの補助金申請支援コンサルタント。