事業再構築補助金一次公募の結果が発表!
事業再構築補助金一次公募の結果が発表!気になる採択率は?
2021年話題となっている、過去最大規模の補助金、「事業再構築補助金」1次公募の結果が発表されました。皆様の申請はいかがでしたか?全国平均の採択率が非常に低く、審査の厳しい補助金といえそうです。2次以降の募集も決まっており、これから申請する皆様はしっかりと対策を練る必要がありそうですね!
全国平均の採択率は通常枠30.1%、特別枠55.3%、トータルでは36.0%となりました。弊社がご支援した企業数は75社、うち採択が65社、採択率は86.6%(要件をみたした事業計画の採択率は70件中65件採択、92.8%)となりました。初めての補助金で不明点も多い中、かなりの好成績となりました。採択を受けたみなさま、おめでとうございます
再構築指針に沿わない取り組みは不採択に!
通常枠は申請総数は16,968件、採択数は5,104件、採択率は30.1%と非常に低い結果に終わりました。中でも注目すべきは要件未達の割合です。事業再構築の指針に沿わない取り組みは容赦無く不採択にされているようです。そもそもコロナ対策かつ再構築指針に沿った取り組みを支援するという補助金なので当たり前なのですが、そのあたりを理解せず申請した案件も多かったようです。補助金はその主旨にあった取り組みでないと、そもそも審査にも乗らないことが、今回の補助金で明確化しました。事業再構築補助金のポータルサイトには第一回公募の結果が以下の通り掲載されています。
大事なのは事業者のやりたいことが本当に指針に沿っているか、つまり補助金を使ってやりたいことはコロナ対策に必要不可欠な取り組みであり、また本気で事業の再構築を図るという強い意志があるかどうかが重要です。今回の補助金は予算規模も大きいため、「申請すれば受かりますよ」、「予算が余っている一次公募が狙い目ですよ」など、営業コンサル会社等が公言していました。正直、いい加減なことを吹聴しているなあ、と感じながら聞いていました。私は「今回の審査は厳密に行われる」と聞いていたし、1億円規模の補助金をそんなに簡単に出すわけがない、と思っていましたから当然の採択率と思っています。
弊社では厳しい採択率だと分かっていたので、要件にあっていない取り組みは残念ながらご支援をお断りすることも多かったです。過去の補助金採択実績から、本当に多くの方からご相談を受け、またお客様をご紹介してくれましたが、話を伺った事業者さまの約半数は要件を満たさず、再考していただくようアドバイスしてお断りしています。本当に支援を求めている方々を全力でサポートしたいと考えていますが、それが86.6%という好成績につながりました。
弊社でも入念な打ち合わせの上、事業再構築の指針に沿った取り組みかどうかを確認した上でご支援していました。すでに支援先にはメールにて通知が届いておりますが、確認できただけでも要件不適合での不採択が4件ありました。つまり要件を満たしていた企業さまに関しては70件中65件採択で、92.8%とほとんどが採択できている計算になります。全国平均の採択率は低いものの、本気で事業再構築を目指し、本気で事業計画作りに取り組む事業者様にとっては受かりやすかったとも言えるのではないでしょうか。
採択を受けやすい業種は?飲食業?製造業?
事業再構築補助金のポータルサイトを見ると、製造業、飲食業、小売卸売業の採択が多かったようです。弊社でも最も依頼が多かったのは製造業、次に飲食や宿泊といったサービス業関連でした。ポータルサイトには以下のデータが記載されております。
弊社の案件で分析してみると、製造業は29件サポートし、採択件数は27件で93.1%という結果になりました。最大では1億2千万円の設備投資、平均して8,000万円の設備投資金額と、比較的高額の案件が多かったようです。国の設備投資を重点支援する姿勢と合致した結果となりました。これをみると、金額の大小は採択率にはあまり影響しないと感じられます。なお、事業再構築補助金ポータルサイトには以下の補助金額の情報も掲載されています。
また、コロナの影響が著しい宿泊業ですが、弊社の案件では4件申請を行い、全てが採択されて採択率は100%となりました。やはりコロナの影響が高い業種は受かりやすい補助金であると言えそうです。ただし、「客室を改装したいだけ」「露天風呂を客室に付けたいだけ」といった事業再構築指針(主要設備を変更すること)に合致していない取り組みはお断りしていましたので当然の結果と言えます。まずは要件を確認することが最重要の補助金と言えます。
宿泊業と同様にコロナの影響が大きい飲食業ですが、弊社の案件では意外にも不採択が多く出ています。今回は8件のサポートを行い、5件採択で採択率は62.5%となりました。原因としてはやりたいことはコロナ対策になっており、考え方はしっかりしているのですが、設備投資が発生しない建設費用のみの申請が多く、また事業再構築指針の「主要設備変更」に、新店舗の建設費用が認められない等の理由から不採択になっている印象です。テイクアウト等も既に細々とやっているケースもあったので、新規事業とみなされなかった可能性も高そうです。飲食店での申請をご検討の皆様は、まずは事業再構築の指針を再確認することから始めた方が良さそうですね。
採択されやすい類型は?新分野?業態転換?
今回の補助金では申請の累計が5種類に分かれています。具体的には、①新分野展開、②事業転換、③業種転換、④業態転換、⑤事業再編です。弊社の支援実績では業態転換34件申請、新分野展開33件申請、業種転換3件申請、事業転換3件申請、事業再編2件申請となりました。売上構成比が10%を達成すれば良いとされる新分野展開と業態転換に人気が集中した形になります。
それぞれの採択状況を見てみると、ダイナミックに事業を再構築する事業再編(M&Aや吸収合併など)の類型は2件とも採択で、採択率100%となりました。また、飲食店中心に申請を行った事業転換も3件とも採択されて、採択率は100%となりました。対して、業種転換の類型は3件中1件不採択となり、採択率的には弊社の案件では採択を受けづらい類型となっています。新分野展開は34件中32件採択で94.1%、業態転換は33件中31件採択で93.9%という結果になりました。
当初の噂ではダイナミックな転換の方が採択率が高く、新分野や業態転換は採択率が低くなるのでは?などの憶測も流れましたが、弊社の案件では申請の類型による採択率のばらつきは見られませんでした。
採択を受けやすい支援機関は?
事業再構築補助金のポータルサイトでは支援先別の採択率も掲載されています。弊社は約200名の中小企業診断士がメンバーで活躍していますが、やはり診断士の支援が最も確実と言えそうです。弊社と同じように、民間コンサルティング会社も中小企業診断士が中心メンバーの会社は多いので、民間コンサルと中小企業診断士を合わせると、最も支援数、採択率も高いと言えそうです。ただし、補助金支援料目当てで実績もなく新規参入している中小企業診断士、民間コンサル会社も多いので、まずはしっかりその会社やコンサルタントの実績を見てご判断されることをお勧めします。
いかがでしたか?最大規模の事業再構築補助金、今後も2次、3次と申請が続きます。今回の記事を参考に、ぜひ事業再構築補助金にチャレンジしてみてください。弊社でも既に1次、2次合わせて130社ほどご支援しておりますが、まだ3次以降のご相談は受付中です。初回の相談は無料でお受けしていますので、気軽にご相談ください。
【執筆者のご紹介】
補助金支援コンサルタント・事業計画策定エキスパート・中小企業診断士 姫田 光太
ものづくり補助金申請支援では通算50連勝、連続採択継続中。小規模事業者持続化補助金12連勝、IT補助金では32件中30件採択。ものづくり製造業の採択率100%。平成29年度補正予算(平成30年実施)、平成30年度補正予算(平成31年実施)経済産業省系の補助金支援の採択率は100%。現在は採択率を高めるためのアドバイザーとして補助金・助成金採択支援どっとコムの代表コンサルタントとして活動中。経営者の想いを伝える事業計画づくりがモットーの補助金申請支援コンサルタント。