原油価格・物価高騰に打ち手!事業再構築補助金の「緊急対策枠」
事業再構築補助金、第7回公募より「原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)」を新設!
事業再構築補助金の第6回公募が、まもなく締切を迎えますが、すでに次回の公募の準備を進めている事業者様も多いと思います。
第7回公募では、ウクライナ情勢の緊迫化等による原油や物価高騰等に伴い「原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)」(以下「緊急対策枠」)が新設されることが決まっています。
第5回公募まで設けられていた「緊急事態宣言枠」は、採択率66%台が続いており、通常枠の採択率40%未満と比べ、非常に堅調でした。
第7回の「緊急対策枠」がどこまで採択率が高まるかは何とも言えませんが、同じ特別枠として類似事項も多く、申請枠の選択肢の1つとして検討に値すると思います。
まだ第7回の公募は始まっていませんが、今回は第7回で新設される「緊急対策枠」について、発表されている情報を元にご紹介します。
参考
事業再構築補助金の緊急対策枠、申請要件は?
緊急対策枠の申請要件は、下記の4つで構成されています。
要件名 | 内容 |
---|---|
①事業再構築要件 | 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること |
②緊急対策要件 | 足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けたことにより、2022年1月以降の売上高(又は付加価値額)が、2019~2021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少していること。また、コロナによって影響を受けていること(※) ※電子申請時に、コロナによって受けている影響を申告することが必要 |
③認定支援機関要件 | 事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関 (金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみ でも可)と策定していること |
④付加価値額要件 | 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること |
引用
事業再構築補助金 コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に関して
着目すべきは②の緊急対策要件です。
2022年1月以降の売上高(又は付加価値額)が、2019~2021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少していないか、確認してみましょう。
この要件を満たさないと、申請ができません。
緊急対策要件を満たしていれば、通常枠等で必要な売上減少要件(2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること)を満たさなくても申請可能です。
ただし、その場合、緊急対策枠で不採択だった場合、通常枠で再審査されないのでご注意ください。
また、初めから通常枠、回復・再生応援枠等で申請する場合でも、緊急対策要件を満たしていれば加点となります。
緊急対策枠の補助金額・補助率は?
緊急対策枠の補助金額、補助率は下記となります。参考までに、通常枠(第6回公募の場合)の補助金額・補助率を追記しています。
従業員数 | 補助金額 | 補助率 | |
---|---|---|---|
緊急対策枠 | (参考)通常枠 | ||
5人以下 | 100~1,000万円 | 100~2,000万円 | 中小企業:3/4(※1) |
6~20人 | 100~2,000万円 | ||
21~50人 | 100~3,000万円 | 100~4,000万円 | |
51〜100人 | 100~4,000万円 | 100~6,000万円 | |
101人以上 | 100~8,000万円 |
(※1)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、従業員 数21人以上の場合1,500万円を超える部分は2/3)
(※2)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、従業員 数21人以上の場合1,500万円を超える部分は1/2)
参考
事業再構築補助金 コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に関して
緊急対策枠は、以前の緊急事態宣言枠と同様に、通常枠より補助金額がやや少なくなりますが、中小企業の場合、補助率が3/4に上がるのが大きなメリットと言えます。
5人以下、または101人以上の事業者では、補助金額が1/2にはなりますが、補助率が高くなること、冒頭に記したように採択率の高まりが期待できることより、原油価格・物価高騰等で大きな打撃を受けた中小企業の強い味方になるでしょう。
審査項目(再構築加点)の見直しもあり
その他、緊急対策枠に限らず、第7回公募から審査項目(再構築点)の見直しが実施されることも発表されています。
再構築点 | 第6回公募 | 第7回公募 |
---|---|---|
① | 事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。【不変】 | |
② | 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊 要性が高いか。 | 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスや足許の原油価格・物価 高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊 要性が高いか。【変更】 |
③ | 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスや足許の原油価格・物価 高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。【変更】 | |
④ | 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。【不変】 | |
⑤ | 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。【新規】 |
引用
事業再構築補助金 コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に関して
審査項目の意図を理解して、申請内容に反映させることは採択の必須要件となります。
事業再構築補助金の主軸となる「再構築点」の審査項目は、明確な根拠を示して対応したいところです。
注意したい点として、⑤「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか」とあるように、緊急対策枠で申請する場合でも、コロナ対策の補助金であることを忘れないことが重要です。
原油価格・物価高騰等にも、コロナウイルスにも対応した、思い切った大胆な事業再構築を行う必要があります。
事前相談を受け付け中
当社ではZoomによるWeb無料相談を実施しており、すでに多くの事業者様より第7回公募に向けたご相談をいただいています。お早めにご相談いただけますと幸いです。
参考:
コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に関して