大規模成長投資補助金の採択結果【工場新設】
大規模成長投資補助金の採択結果【工場新設】
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先日、工場新設や大型設備投資向けの令和5年度「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」(大規模成長投資補金)の公募が終了。採択者が発表されました。
2024年大規模成長投資の採択率
採択率は、1次公募15%、2次公募14%と、かなり狭き門となりました。
「中堅・中小企業業の賃上げに向けた大規模成長投資補助金」は、中堅・中小企業が、持続的な賃上げが目的。省力化などによる労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行います。工場の拠点新設や大規模な設備投資に補助が行われるもので、補助上限額が50億円、下限額10億円と規模が大きな補助金です。
令和6年度補正予算案によると、2025年も公募が行われる可能性が高くなっています。
今回は、この「中堅・中小企業業の賃上げに向けた大規模成長投資補助金」の1次公募、2次公募の採択結果ついて紹介します。
大規模成長投資補助金1次公募の採択結果
まず、3月より公募が開始され、6月下旬に採択発表となった1次公募について。各種指標の中央値は下記となります。
参照:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金
(参考)1次公募における各種指標の中央値(採択者、申請者全体)
1次公募の有効申請件数は736件のうち、定量面での評価を行う書面(1次)審査。254件が計画の蓋然性を審査するプレゼンテーション(2次)審査に進みました。最終的に、109件が採択されました(採択倍率は約6.8倍) 。
1次公募の採択者についてより引用
書類審査の採択率は35%と、約3者に1者が採択されています。そのうち、プレゼンテーション審査の通過が43%となり、ここで半数以上が不採択となっています。
また、
採択者の平均投資予定額は約54億円、平均目標賃上げ率の中央値は4.3%と、高い目標水準の事業が採択となりました。
と記載されています。
その他の各種指標もほぼ採択者の方が申請者全体より高い数値となりました。
目標値を高くすれば採択されるわけではないと思います。しかし全体と比較すると、採択者が高い目標水準を掲げていることは明らかです。
特に、全体の売上高増加額は採択者+46.7億円、申請者+23.1億円、補助事業売上高総額は+41.2億円、申請者全体+23.1億円と倍以上の差があります。
売上高の差が、結果的に他の指標の差にもつながっている印象を受けます。
過大投資にはならない確実性のある範囲で、売上高や労働生産性、そして本補助金のテーマでもある賃上げを高い水準で達成できるような説得力のある事業計画が求められることが伺えます。
過大投資に注意!全社売上高に対する投資額割合
唯一採択者の方が低い数値となっているのが「全社売上高に対する投資額割合」です。この「全社売上高」は、事業計画として将来の売上高ではありません。最新決算期の売上高を指します。投資額自体は採択事業者の方が高いことに対し、全社売上高に対する投資額割合が採択事業者の方が低い。つまり採択者の方が、最新決算期の売上高が高いことになります。ここでも、大規模投資ではあるが、過大投資ではない計画が評価されていることが伺えます。
大規模成長投資補助金2次公募の採択結果
次に、6月より公募が開始され、10月に採択発表となった2次公募について、各種指標の中央値は下記となります。
参照:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金
(参考)2次公募における各種指標の中央値(採択者、申請者全体)
2次公募の有効申請件数は605件のうち、書面および定量面での評価を行う一次審査を経て、218件が計画の蓋然性を審査するプレゼンテーション(二次)審査に進み、追加採択を含めて最終的に85件が採択されました。
参照:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金
2次公募の採択者についてより引用
大規模成長投資補助金の採択率(書類審査・面談審査)
書類審査の採択率は約36%、そのうちプレゼンテーション審査の採択率は約39%となりました。2次公募は追加採択の発表もありましたが、1次公募とほぼ同じ程度(微減)の採択率となりました。
応募件数や平均投資予定額は1次公募よりやや減少しています。
また、
採択者の平均投資予定額は約44億円、平均目標賃上げ率の中央値は5.4%と、高い目標水準の事業が採択となりました。
2次公募の採択者についてより引用
と記載されており、2次公募も、1次公募同様、相対的に見て高い目標水準の事業が採択されています。
その他、1次公募の平均投資予定額は約54億円、2次公募の平均投資予定額は約44億円とされています。本補助金は最大50億円、補助率1/3以内のため、150億円以上の大規模投資が効率的ではありますが、実際は事業規模に見合った現実的な投資額、事業計画での申請が多かったことが伺えます。
大規模成長投資補助金の目的・事業概要
改めてのご案内になりますが、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」は、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進し、その結果、地方における持続的な賃上げを実現することを事業目的としています。
足元の人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と、事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に対して補助金が支給されます。
大規模成長投資補助金の経費と審査基準
ご参考までに、今年度の公募の補助対象経費、審査基準は下記となります。(今後公募がある場合、変更される可能性あり)
説明会セミナー動画の資料より引用
申請に向けて【無料Web相談を受付け中】
現在、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の今年度の公募は終了した旨が公表されていますが、来年度以降、公募が再開される可能性があります。
大規模成長投資補助金は公募開始から応募まで期間が限られる可能性があり、また少なくとも10億円以上の大型投資になるため、早めの準備が必要です。
書類審査より狭き門である、プレゼンテーション審査への対応も必要です。
準備事項が多岐にわたることが想定されますが、当社では、代表がZoomによるWeb無料相談を実施しています。
お早めにご相談いただけますと幸いです。
参考:
【2025年度版】大規模成長投資補助金コンサルタント選びのポイント
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
中堅・中小企業の賃上げに向けた 省力化等の大規模成長投資補助金 説明会資料
【執筆者のご紹介】
大規模成長投資補助金コンサルタント・ものづくり補助金コンサルタント・事業再構築補助金申請コンサルタント
事業計画策定エキスパート・中小企業診断士 姫田 光太
【執筆者の採択実績】
補助金申請コンサルタントとして活躍。ものづくり補助金申請支援では通算50件以上連続採択。連続採択継続中。大規模成長投資補助金コンサルタントとしてはコーディネーター。そしてプロジェクトマネジャーとして5社の大型採択をサポート。
【採択件数、採択率ご紹介】
小規模事業者持続化補助金12連勝。IT補助金では32件中30件採択。ものづくり製造業の採択率100%。平成29年度補正予算(平成30年実施)、平成30年度補正予算(平成31年実施)経済産業省系の補助金支援の採択率は100%。事業再構築補助金のアドバイス支援では採択率90%以上継続中。現在は採択率を高めるためのアドバイザーとして補助金・助成金採択支援どっとコムの代表コンサルタントとして活躍。また補助金コンサルタントの養成講座のメイン講師も務め精力的に活動中。経営者の想いを伝える事業計画づくりがモットーの補助金申請支援コンサルタント。